匠へのインタビュー 有限会社 合場金属様 京滋インテリア協会〔京滋インテリア協会〕


~木工家具 potitek~
戸田 直美 様

第三回目である『匠インタビュー』は戸田直美様です。 東山区・白川橋のほど近くにその店舗・ショールームはあります。

一階はご主人がCafésalon&Barを、そして二階が直美さんのショールームです。
工房とアトリエは東福寺にかまえていらっしゃいます。

戸田直美さんは兵庫県三木市のご出身で、お父様が金物職人という物作りが日常・・・という中で育たれました。
京都市立芸術大学では漆工専攻を修了され、漆芸家具工房を経験されたのち、『木』の工房【potitek】を立ち上げられました。
当初、作品性を高めてオリジナリティの追求を目指すのか、多くの人と関わりながら「木」の楽しさを伝えていくのか、を考えた結果後者を選択されたそうです。

ある骨董の器で楽しむBARの店主から『目立たない椅子』を作って欲しいとの依頼がありました。
作家たるもの、依頼に忠実に・・・とはいうものの、オリジナリティを出したいもの。
しかし、戸田さんはそのお店の主役はあくまで骨董の器とそれにしっくり馴染むお店の雰囲気であると考え、脇役に徹する、けれど座り心地の良い椅子作りを目指します。
相手に心から喜んで頂ける作品…を目指してらっしゃる戸田さんならではのエピソードです。

戸田さんは不定期で木製のカトラリーを作るスクールもされています。
一つのスプーンを作るにも、長時間を要するので大まかな形までは戸田さんが切り出しを行って、生徒さんは最後の削り・ヤスリがけ・仕上げの磨く工程を体験されるそうです。

またご自身の長女ご出産後、おやつマグという木の器も手掛けられました。
おかゆや離乳食を取り分けたり、子どもが少し大きくなったら自分の手でつかめるようになれば、おやつを入れて味わってほしい…と。
もちろん、大人の上質なひと時にも寄り添ってくれるような器に仕上がっています。
スツールもシンプルな中に、触って感じる滑らかさはもちろんのこと、見ただけでもキメの細やかさが伝わってきて、思わず触れ、座って確かめてみたくなるほどです。
木が持つ温かさ・優しさ・自然の恩恵を感じるからこそ幸福感に満たされてしまいます。

インタビューの際、戸田さんが作られたコーヒーセットで、美味しいコーヒーを頂戴しました。 仕事が立て込んでいたり、慌ただしい日常の中でも、こんな素敵なブレイクタイムがあれば、自分や大切な家族や仲間と楽しいひと時がもてるだろうな・・・と感じた今回の取材でした。

京滋インテリア協会 広報委員